Leica M10-P “Reporter”
駅前のパーキングスペースに白いフェラーリが無造作に停められていた。
“富の象徴”とでも呼ぶべき高級車を、こんな駅前の、それも多くの車が行き交う道路沿いのパーキングスペースに平気で停めておける神経を疑いたくなった。
まあ、庶民には一生かかっても買えない高級車も、お金持ちにとっては、庶民がそこらへんのスーパーやコンビニに気軽に履いて出かけるサンダルがわりのようなものなのかもしれない。
そんなことを考えながら、そのフェラーリを見ていると、横をいま流行りのフードデリバリーの自転車が通り過ぎて行った。
“富の象徴”と“庶民”。
明らかに境遇の違う者たちの偶然の対比に心がざわついた。
この世の中に平等なんてないんだ。
ふと、そんな言葉が頭に浮かんできた。
そう、この世の中で平等なんてものを期待してはいけないんだよね…。