Leica M10-P “Reporter”
日が暮れて夜の帷が降り始めると同時に、オフィスビルの明かりが一つ、またひとつと消えていった。
横に並んだ窓の右端から順番に明かりが消えてゆく様は、何かのインジケーターようにも見えた。
窓明かりが作り出すインジケーターが気温を表しているわけではないのは百も承知だが、それでも、少しずつ減っていく明かりとともに街全体が冷めていくような気がした。
実際に外に出てみると幾分だが、気温が下がり、ほんの少しだけど過ごしやすくなっていた。
街から人が消えてゆくたびに、街自体も冷めてゆく。
人々の生活に呼応するかのように、街も、気温も、上昇と下降を繰り返す。
それはまるで人生のように…。