襟裳岬には本当に「なにもない」のか…

襟裳岬には本当に「なにもない」のか…

Leica M10-P “Reporter”

 

あの有名な曲で「なにもない」と唄われた襟裳岬にやってきた。

道中、霧の中を走ってきたのだが、えりも町に入る手前あたりから霧は晴れて青空も見えてきた。

海岸線の道路からは、快晴の青空の下、浜に降りて昆布を取る作業行っている漁師の姿も見られた。

しかし、物事そんなにうまくはいかないもので肝心の襟裳岬に到着した頃には、海上はまた恋霧に覆われ、岬に向かってその霧が押し寄せてきていた。

それでも岬の突端からは岩場に打ち付ける荒波の姿は確認できる。

もっと先へと続くハズの遊歩道の途中に「立ち入り禁止」の看板が建てられ、その先には入れないように厳重にロープが巻かれていた。

ここもまたコロナのせいで…と思いかけた瞬間「崖崩れのため危険」という文字が飛び込んできた。

もともと岬なんて、どこもそうだろうが断崖絶壁と決まっている。

その断崖絶壁がさらに崖崩れとは、一体どうゆうことなのか…。

柵の向こうを恐る恐るのぞいてみると、そこにはあったはずの土地がごっそりと抉り取られ、断崖絶壁のカーブがそこだけ大きく内陸部へと食い込んでいる。

波の侵食によるものなのか、はたまた大雨の影響で大地の部分が崩れ落ちたのか、それともその両方か、原因は定かではなかったが、自然の脅威を感じるには十分な光景だ。

こんな光景を見られただけでも、今回ここを訪れた価値はあったように思えた。

「なにもない」なんてことはなかったよ、森進一さん。

 

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