青くない池!?

青くない池!?

Leica M10-P “Reporter”

 

美瑛町にある「青い池」を訪れた。

もう何世代も前になるマックのOS Xの壁紙に採用されたことから一躍注目の的となった、この「青い池」、すでに10年近くになるはずだが、その人気は未だ衰えずと言った感じで、この日も多くの観光客が詰めかけていた。

そんな中、その観光客たちの口を突いて出てくるのが、「青くないよね」だった。

たまたま、地元の方に話を聞く機会があり、理由は諸説あるようだが実際に当時に比べると「青く見えなくなっている」のは事実のようだ。

「そんなに…」とか、「あまり…」というような言い方をしている人が多いように感じたが、中には「私が見たのと違う! 全然青くない!!」と断言する方も、チラホラ…。

「そりゃそうでしょう、君らが見たという『青い池』は、どうせインスタでしょ!?」という言葉が喉元まででかかったが、グッとこらえた。

インスタが悪いと言っているのではない。

過剰に彩度をあげたり、コントラストも同様にガチガチに仕上げた写真がネット上に氾濫しているのを目にすることが多々ある。

それは、ここ「青い池」に限らず全国各地の観光名所と言われる場所でも同様だ。

そんな写真を見て実際にその場所を訪れて「がっかりした」という感想を持ったという例は枚挙にいとまがない。

インスタにアップされている写真すべてが、そうだとは言わないけれど、実際の色とはかなり違う印象を受けることが多いのは、みんな気づいているハズ…。

もしかしたら、そういった味付けが一つの時代のブームだったのかもしれないが、もうそろそろ、そんなブームも終わってもいいのではないだろうか。

いや、終わらせるべきなのでは…。

ここ「青い池」を訪れる前、長年美瑛を撮影し続け膨大な量の作品を遺している写真家の故・前田真三さんの個人ギャラリー「拓真館」を見てきた。

そこには、本来の北海道の大自然の“色”が如実に再現された写真の数々が展示されていた。

インスタも悪くないが、こうした本物の作品群を見てみるのも、たまにはいいのでは…。

 

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