Leica M10-P “Reporter”
JR北見駅を訪れた。
見てみたいものがあったからなのだけれど、駅を訪れてみると地元の方が、何やら出迎えの準備をしていた。
聞くと、特別な観光列車が到着するとのことだった。
急ぐ旅ではない、せっかくだから一緒に待ってみることにした。
入場券を買い、駅員に許可を得て件の列車が入線するホームの隣側のホームから撮影することにした。
黄色いディーゼル機関車が先頭で観光列車を引っ張る形で現れた。
よくみると車体の横に「ROYAL EXPRESS」と書かれていた。
どこかでみたことのある列車だった。
調べてみると普段はJR東日本と伊豆急行とで横浜駅と伊豆急下田を結ぶ路線などで使用されているらしかった。
以前、熱海を訪れた際、新幹線から在来線へと乗り継ぐ時に、たまたまこの列車が熱海駅に滑り込んだのに出くわしたのだった。
昨年からJR北海道が、JR東日本、伊豆急行などの企業とタイアップして、この時期に北海道を走らせているそうだ。
特に鉄道マニアと言いうけではないのだけれど、ホームに停車している間、いろんな場所、アングルから撮影させてもらった。
そんな中、駅のホームの端ではフォークリフトが唸りをあげながら大きなコンテナを一つ、ひとつ、貨物列車の台車に積み上げていた。
北見駅は貨物ターミナルとしての役割もあるようだ。
その貨物列車を牽引するためのディーゼル機関車が、偶然にも観光列車「ROYAL EXPRESS」と重なり合うようにホームの奥に佇んんでいた。
派手な外装の観光列車に比べれば、その車体は地味そのものだ。
仕事の役割にしたって観光目的の客を雄大な大自然の中、優雅に走りながら進んでゆく観光列車に比べると、地味に思えるかもしれない…。
でも、この地域の物流を支える重要な仕事であるには違いない。
ただ、それぞれの役割が違うだけのことだろう。
人の人生も、きっと同じだ。
仕事の派手さや格好良さに目を奪われがちだが、実はどんな仕事にだってちゃんとした役割や意味がある。
主役をはれることもあれば、縁の下の力持ちに徹しなければならないことだってある。
そんな当たり前のことだけれど、ついつい忘れてしまいがちな大事な気持ちを思い出させてもらえる貴重な一日になった。