Leica SL2
都会ではもうすっかり見ることのなくなった砂の道。
ここはそれを売りにしている観光地で、実際に地元で暮らす人々が生活のために使うわけではない。
だから、きっとすぐ近くにあるというだけで、この地方の人たちが毎日のようにここにやってきて歩くなんてことはないのだろう。
舗装されたアスファルトやコンクリートの上、石畳の道を歩くのと違うのは当たり前だけれど、未舗装だとしても踏み固められた砂や土の上とも明らかに違う感覚だ。
歩き方によっては、ふわふわとした浮遊感みたいなものを味わうことができる。
もちろんこうして楽しめるのも最初だけだ。
歩くときに使う足の筋肉も、いつもとは違う部分を使わなければ上手に進むこともできない。
徐々に砂に足を取られるようになり、いつも歩いている舗装された道では味わうことのできない辛さが襲ってくる。
決して楽ではない道だ。
毎日ここを歩いてどこかに行かなければならないとしたら、それはもう苦行としか思えないだろう。
こうしていつもの生活圏を離れて、さらにここのようにそんじょそこらではお目にかかることのできない場所で、いつもとは違う状況を味わうことは、身体にも心にも、かなりいい刺激になっている。
これからも、こうやって新鮮な刺激を求める旅は続く…。