Leica M10-P “Reporter”
今夜は横浜駅前のホテル。
旅先というほど遠い場所ではない。
家に戻ろうと思えば、普通に帰れる距離だろう。
実際にこの駅から自分の自宅周辺まで通勤や通学している人もいるだろうし、その逆も普通にあり得る位置関係だ。
それでも、こうしたちょっとした距離の場所にわざわざ泊まってみると、それまでには出会えなかった光景を目にすることができる。
横浜駅の夜景なんて、通勤や通学で利用する人たちにとってはどうってことのないものだろう。
自分も、この時間帯にここを訪れたことは数え切れないほどある。
ホテルの部屋から駅を見下ろすと、多くの人が行き交うのが見えた。
みんな足早に急いでいるように見える。
タクシーやバス、迎えの車などの出入りも激しい。
自分自身も、この駅を利用するときには、そこに見える人々と同じような速度で歩き、同じ目線で街を見ているだろう。
こうして、ほんの少し高い場所から見ることでいつもの見慣れた風景も、どこか少し違ったもに感じられる。
道行く人々を見下すほどの優越感に浸れるほどの高さではないけれど、こうしてほんの少しだけ高い、いつもとは違う場所から見た街で暮らす人々の息吹=街の息づかいが、感じられるような気がした。