Leica M10-P “Reporter”
予定していた撮影をすべて終えることができた。
今夜から雨の予報で、部屋に戻った頃には空はすでにどんよりと曇り、天気が下り坂であるのが見てとれた。
部屋のバルコニーのすぐ下には、ホテルのプライベートビーチならぬプライベートポートが広がっており、そこには何隻かの観光船が停泊していた。
そのうちの一隻に5、6人のお客さんが乗り込んでいた。
やがてその船は港を出て、ホテルのチャペルの向こう側の沖の方へと進んでいった。
ビーチ沿いのリゾートホテルに泊まっていれば、こうした観光をしない方がおかしいのかもしれないが、これまでの撮影でも、ついでに遊ぼうといった気分になったことがない。
どんよりとした空を写すことなく、船が進んでいく海とチャペルだけを切り取ってみた。
天気が悪くても、海の色が綺麗なせいか、それなりに“絵”になっているような気がする。
天気はともかく、こうしてなんとなくだけれど“絵”にできてしまうのは、南国の景色ゆえのことなのかもしれない。
観光なんてできなくてもいい。
まずは無事に終えられたことに感謝だ。