標識を守らない人

標識を守らない人

Leica Q2 “Reporter”

 

一台の原付バイクが通り過ぎていった。

歩き慣れた道、いくつかあるいつもの散歩コースのうちの一つだった。

いつも歩く道なのだが、この日は何かが違っていた。

なにかがおかしい…。

しばらく歩いてから、やっとその何かに気づいた。

さっき自分の前を通り過ぎて行った原付バイクが、一方通行であるはずのこの道路を逆走して行ったのだ。

車一台がやっと通れるだけの道幅の道路だが、両サイドの歩道に余裕があるせいか、日中は宅配業者や周辺の店舗に荷物を下ろすトラックなどが停車していることはあっても道幅は十分に思えた。

歩道を使えば自転車なら問題なく両方向に向かって進むこともできるのだろうし、実際にそうして光景に出会ったこともある。

しかし、さすがにバイクの逆走は問題だろう。

確認してみると案の定、一方通行を示す標識があり、そこにはご丁寧に「自動車・原付」とあった。

運転している本人は、一方通行だということに気づいていなかったかもしれないし、こんな細い道で警察が取り締まりをしているとも思えないので、確信犯的に抜け道として利用しているのかもしれない。

どちらにしたって軽微な罪なのかもしれないが、それでも歩行者を跳ねたりすれば、大怪我を負わせることだってあるだろう。

小さくてもルールはルールだ。

そもそも、ルールや法律に大きいも、小さいも、ないような気がするが…。

普段から守るべきものを守っていないと、いつか自分自身の大切なものが守れないような気がして、どんな些細なことでも自分自身はできる限り気をつけて生きてきた。

こうしたことを長年続けてきたからこそ、自分の周りでは世間でよく聞く、痛ましい事故や、悲しい事件に遭遇することなく生きてこられたのではないかと思っている。

あと何年この世で暮らせるのかはわからないけれど、今年もまた、そうしたことには気をつけたいとあらためて考えさせられた。

 

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