真夏の夜の悪夢

真夏の夜の悪夢

Leica M10-P “Reporter”

 

さて今夜からしばらくは名古屋だ。

新幹線のホームに降り立つと猛烈な熱気が体にまとわりついてきた。

東京も暑かったけれど、それ以上に名古屋の方が暑い。

名古屋駅から地下鉄に乗り換えて部屋の最寄り駅で降りる。

荷物を持っていたためエレベーターを使い、いつもとは違う出口から出てくると、ガラス越しにライトアップされたテレビ塔が見えた。

ガラスには反対側にあるブライダルショップのショウウィンドに飾られたウェディングドレスが映り込んでいた。

ガラスの向こうを白いマスク姿の女性や家路を急ぐサラリーマンが行き交い、そして黄色いワゴン車が滑り込んできた。

それは幻想的というには程遠い、人々の生活が折り重なり、雑多なものすべてが一気に凝縮された悪い夢でも見た後のような、生々しさと暑くるしさを感じさせる光景に思えた。

長く続く暑さのせいで思考回路のどこかがやられてしまったのかもしれない…。

今夜も冷たいビールで頭を冷やしてやろう。

 

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