Leica M10-P “Reporter”
昨日までの晴天が嘘のような朝だった。
真っ黒な雲が垂れ込めた空から、絶え間なく大粒の雨が落ちてくる。
そして、その大粒の雨が強風に煽られ部屋の窓ガラスを激しく叩いていた。
ほん少しだけ開けた窓の隙間から流れ込んでくる風は熱風そのもので、さらに降り続ける雨のせいで水分を十分に含んで重いものだった。
雨のおかげで少しは涼しくなってくれないだろうかという淡い期待は見事に裏切られた。
窓の外を恐る恐るのぞいてみると、強風のせいだろう、まったく用をなさない形になってしまった傘を持ってとぼとぼと歩く人が見えた。
あんな目には遭いたくないな…。
そう思い、冷蔵庫から冷えたビールとグラスを取り出しリビングのソファーに腰掛けた。
こんな日は、これに限る!
そう自分を言い聞かせて、少し早めのランチをビールとともに楽しむことにした。
このまま夜まで過ごすのもいいかな…。