街の息吹を感じる時間

街の息吹を感じる時間

Leica M10-P “Reporter”

 

一日があっという間に終わる。

会社を辞めると時間を持て余すのではないかと思っていたが、実際は違った。

“精力的に”などと自分自身のことを表現することほど恥ずかしことはないと思っていたが、実は今はこの言葉が、もしかしたら一番しっくりとくるのではないかと思っている。

とにかく次から次へとやりたいこと、やらなければならない色々なことが毎日のように出現する。

そのほとんどは部屋の中でパソコンに向かってする作業なのだけれど、その結果、朝早くから動いているのに気づけば日が暮れている。

日が短くなってしまったのも手伝って、これまでならまだ夕暮れ時に散歩に出かけられていたのだけれど、もうここ最近はすっかり日が暮れてしまっている。

そんな中、ライカを片手に近所をぶらつく。

当然のことだけれど、街は昼間とは違う表情を見せてくれる。

暗い中でのスナップはシャッタースピードも自然と遅くなり、ボケやブレを連発することになるのだけれど「それがまたその場の雰囲気や臨場感といったものを如実に捉え、そこで暮らす人々の息吹を連想させる…」などと、偉そうに御託を並べるつもりはないけれど、それもまた写真の“味”の一部であるのは確かだろう。

もしかしたら、こんな時にはM10-Pではなく、手ぶれ補正を搭載したSL2の出番なのかもしれないけれど、何でもかんでもきっちり鮮明に写す必要もない気がして、あえていつもの昼間と同じような感覚でM10-Pを持ち出している。

「ぼけ、ブレ、荒れも味のうち」と、どこかの大写真家が言っていたと思う。

もちろん狙って表現した「ぼけ、ブレ、荒れ」に関しての言葉だけれど、この時間帯に写真を撮れば、この3つは切っても切れない関係になる。

あえて、きれいに撮らない。

そんな撮り方があってもいいだろう…。

 

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