Leica M10-P “Reporter”
ことしもまた、ゆっくりと、そしてじっくりと桜を愛でることはできなかった。
やはり昨今のコロナ禍の影響で“花見”をしようという雰囲気ではない世相が関係しているせいもあるのはもちろんだが、今年はたまたま自分が滞在している場所の天候と桜の開花時期のタイミングがうまく噛み合わなかったということもある。
今いる街の桜はもうほとんどが散ってしまっていたが、いつもの散歩コースを歩きながら、たまたま空を見上げると、そこには少しづつ葉っぱが目立ってはきているものの、まだまだ花びらをつけたままの桜の木があった。
この街の中心部といってもいい場所にシンボルとしてどんと鎮座するテレビ塔。
その足元に植えられた桜の木は、この季節だけは自分が主役だと言わんばかりに、主役であるはずのテレビ塔の存在感を消してしまわんほどのしっかりとした花を咲かせている。
どちらが主役で、どちらが脇役なのか?
答えは見つからないけれど、この勝負がまた来年も続くことだけは明白だ。