Leica M10-P “Reporter”
駅の周りに何匹かの野良猫がいる。
それらの猫たちは、これまで全て写真におさめていた気になっていたのだけれど、今日、初めてみる猫に出会った。
駅の高架下にある駐車場の入り口に丸まって、じっとこちらを見つめていた。
車が入ってくれば自然と逃げ出すとは思ったけれど、もしやという事態があるかもしれないと思い、念のため「そこにいちゃ危ないぞ」と声をかけたが、一向に動く気配がない。
驚かせないようにゆっくりと近づき、カメラを向けると、じっとレンズを見つめている。
シャッターを数回切り終えたところで、移動を促すために手を振って、シッシッとやってやると、やっとその場を離れていった。
その場所にはエサになるようなものがあったわけでもなく、何が彼(または彼女)の興味を惹いたのか、なぜそこに居座り続けたかったのか、知る由もない。
人には人それぞれの事情があるように、猫にもきっと何かの事情があったのだろう…。