Leica M10-P “Reporter”
そもそも、今日は最初から誰もいなかったのだろう。
降り続く雨の一瞬のスキをついて、最寄りのスーパーまで買い物に出かけた。
便利な世の中になったものでネットの雨雲レーダーを確認すると、雨は30分程度はもってくれそうだった。
車で出かけた方がいいような気もしたが、普通に歩いても10分もかからない場所だ。
運動不足解消を兼ねて、ライカを一台たすき掛けにして小走りにスーパーへと急いだ。
買い物を済ませた帰り道、誰もいない公園に、いつもなら子供たちが乗ってはしゃいでいる遊具が、先ほどまで降り続いた雨に濡れて寂しそうに佇んでいた。
明日は誰かが遊んでくれるかな…。
そんなふうに思いながらシャッターを切っていると、ぽつぽつと雨粒が落ちてきた。
腕時計を見ると、雨雲レーダーを確認してから、ちょうど30分が経とうとしていた。
本当に便利な世の中になったものだ…。