Leica M10-P “Reporter”
毎日、「暑い、暑い」と嘆いたところで、暑いのに変わりはない。
だから、いっそのことその暑さを楽しんではどうだろうか…。
そうやって開き直るのもいいだろう。
いや、もうそうするしか手はないのではないか。
そう自分に言い聞かせて、あえて暑くても楽しめる場所“海”を目指した。
「波の音を聞きながら海風にあたる」
想像するだけでも楽しそうだ。
東京オリンピックサーフィン競技の会場となった千葉・一宮町の釣ヶ崎海岸は、日本選手のメダル獲得に触発されたのか、平日だというのに多くのサーファーが、襲いくる波にチャレンジしていた。
そんなサーファーの連れだろうか、砂浜にはビーチパラソルとビーチチェアを広げ、日光浴を楽しむ人々もいる。
海へと突き出た堤防では釣りを楽しんでいる人の姿も…。
みんなそれぞれのスタイルで夏を満喫している。
空には海を走る波を反射したかのような雲が広がっていた。
サーフィンが楽しめるくらいだから、そこにはそれなりの風が吹いていた。
「風が心地よい」などと形容されるようなものではなく、かなり強くだ。
海面を渡ってきた風は、多くの塩を含んでいるせいなのか重く感じる。
そして、強い日差しで汗ばんだ体にまとわりつき、塩分だけを残して去っていった。
海に入り波と戯れていれば、この暑さも忘れられることだろう。
こうして砂浜を歩いているだけでは、夏を楽しむために海に来たことの恩恵をそれほど受けられていないような気がした。
それでも、アスファルトとコンクリートに囲まれた都会の暑さに比べると、暑さの“種類”が少し違って、なんだか心地の良いもののようにも感じられた。
せっかく近くにこんな素晴らしいビーチがあるのに、これまではあまり足を運ぶことはなかった。
この夏が終わるまでに、また来てみよう。