Leica M10-P “Reporter”
9月に入り、知らないうちに日も短くなっているようだ。
いつもなら、まだまだ明るいはずだと思っていた時間に素手に出てみると、もうすっかり日が暮れて街は闇に包まれていた。
せっかくだからと自宅の周りを一回りしてみようと思い歩き出すと、やけに明るい光を放つ街灯に目がいった。
よく見てみると明るいのはこの一本だけではなかった。
いつの間にか近所の街灯は全てLEDに置き換えられていたようだ。
色温度の違いもあるのだろうが、これまでの白熱電球のような、ちょっと頼りなさを感じさせる弱々しさなのだけれど、どこか暖かさを感じさせる光ではなく、そこにはLEDの煌々と眩いばかりの灯りが周りの樹木に降り注ぎつつも、なんとなく寒々しさを感じさせる光景を照らし出していた。
昼間と同じような色合いで、なおかつ明るいというのは、防犯効果という意味では、決して悪いことではないのだろう。
さらに、少ない消費電力で明るく光り続けるLEDは、もちろんそれはそれでいろんな意味で社会の役に立っているはずだ。
だが、その光は、どこか冷たさを感じさせる。
なんでもかんでも“効率化”の名の下に、昔ながらの“風情”といったものが一掃されたようで、どこか物悲しく感じてしまうのは自分だけなのだろうか…。