並木道の違和感

並木道の違和感

 

Leica M10-P “Reporter”

 

近所の並木道で、一本だけ紅葉している木を見つけた。

他の木には、まだ青々とした葉が生い茂っている中、なぜかこの一本だけが紅葉している。

この紅葉も始まったばかりというわけではなさそうで、すでに紅葉の見頃を終えて落ちてしまった葉が根元近くに溜まっていた。

なぜ、この木だけ紅葉が進んでいるのか理由はわからないけれど、この一本だけが仲間はずれにされているように見えて、なんだかかわいそうに思えた。

本来、この時期は他の木もすでに紅葉していてもおかしくない季節なのかもしれない。

だから、もしかするとこの一本だけが、例年通り普通の状態で、他の紅葉していない木のほうがおかしなことになっているの可能性だってある。

他のものに先んじて突き進んでしまうと、それが本来の正しい姿だったとしても、周りの多くとは違う色や状態を指摘され、その存在自体が「おかしい」と思われてしまうのは、どこの世界も同じなのかもしれないね。

「時代の先端をゆく」とまでは言わないけれど、常に先頭を走っていると周りからの風当たりも強いし、世間の目も厳しいだろう…。

そして、そのペースについてこられないその他大勢は、自分たちのおかしさに気づかないまま反対に「アイツはおかしい」という声を上げだす。

どちらが正解なのかはわからないけれど、きっと自分はこの一本だけ紅葉している木のような生き方のほうを選ぶだろう…。

 

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