Leica M10-P “Reporter”
行き止まりだった。
そこから先に道路はなく、そして、右にしか行けない状況だ。
左に道は続いていないし、もちろんまっすぐにも進んでは行けない。
右に行くように促す標識があったが、その一つが、右を指していたはずの部分が剥がれ落ちて無くなっていた。
うっすらと本来あったはずの矢印の姿が残っているのが見てとれた。
「無理して右に行く必要はないんだよ」
その標識が、そんなふうにいってくれているように思えた。
そう、目的地なんて決める必要はないし、ましてや誰かに強制されて行く必要なんかない。
自分のゆく道は、自分で決めればいいのだから…。