Nikon Zfc
今日もまた日が暮れた。
午前中から様々な作業を進めているうちに気づけばいつもの時間だったのだけれど、季節はもう冬といってもいい時期で、当然、日が暮れるのも早くなっている。
自分のいつものペースで、これまでの季節ならまだ外は真っ暗ということはなかったのだけれど、季節は当たり前のことだけれど着実に進んでいるようだ。
夕食の準備に近所のスーパーへ、新しく手に入れたカメラと共に出かけた。
駐車場に車を停めて店内へ向かっていると、すぐ前の道路に救急車が通りかかった。
駐車場の少し離れた場所に、申し訳程度に仄かな光を放つ街灯が立っていた。
道路にも歩道を照らすために何本かの街路灯が立っていたが、それでも道路から向こう側は暗闇だ。
このカメラは、この暗闇をどんなふうに写し出すのだろう?
そんな思いから、あわててシャッターを切ってみた。
カメラのモニターで確認すると、そこには、いま自分の目の前に広がる景色とは、まったく違う景色があった。
救急車が通り過ぎた道路には、暗闇と静寂が戻っていた。
手前の駐車場は、駐車スペースを表す白線がほんの僅かに確認できる程度だ。
だけど、カメラのモニターに映し出された景色は、道路の向こうに走る電線や遠くに見える民家の灯りまでをも、しっかりと映し出している。
カメラ任せで撮影すると、現実とはこんなにも違うものが出来上がってしまうのか…。
「暗くてもきれいに写る」と言えば、聞こえはいいだろうが、実際にその場で自分自身が見えていないものまで写し出すことが、本当に必要なことなのだろうか?
今の自分には、あまり必要のないもののように思えたけれど、何が正解なのかはわからない…。