Leica M10-P “Reporter”
レンガ風のパネルが貼られたコンビニの駐車場に、風で集められた落ち葉や枯れ枝が寄り添うように転がっていた。
つい先日、やっと赤や黄色に色づき始めたと思っていたら、もうその役目を終えたのか一斉に落ち葉となって、木々の根元の地面を覆っている。
葉が落ちてしまった木々は、まるで丸裸にされたような寒々しい風体で呆然と立ち尽くしているといった感じだが、地面がそれらの木から彩を奪ってしまったかのように、落ち葉の赤や黄色で賑やかになっている。
風が吹けば、さらにそこから舞い上がり、今度は落ち葉がコンクリートやアスファルトで舗装された道路や歩道にまで広がって、殺風景な地面を少しだけだけれど明るく彩ってくれたようにも見える。
自然界にはもともと存在しなかったはずの色を纏ったキャンバスを、最後のご奉公とでも言わんばかりに、すでに役目を終えたはずの落ち葉がアクセントとなって、あたたかな景色を紡ぎ出す。
きっと明日の朝には、ほうきできれいにはき取られてしまう、どうってことのない景色だ。
それでも、このまま消えてしまうのは惜しい気がして、持っていたカメラで一枚だけシャッターを切った。