Leica M10-P “Reporter”
いつもなら、たぶん誰かがいるはずの時間帯だと思う。
学校から帰ってきて友人たちとふざけ合っている小学生だったり、幼稚園のお迎えからそのまま寄って子供達を遊ばせながら井戸端会議に花を咲かせる若いママたち、体操なのかヨガなのかよくわからない格好で身体を動かす近所の老人たち、さまざまな人たちがこの公園を利用している。
でも、なぜか今日は誰もいなかった。
こんな日もあるんだな。
そう考えながらそのまま通り過ぎるつもりでいたのだけれど、せっかく誰もいないのだから、ちょっとだけ貸し切り気分を楽しんでみることにした。
特に何か気をひくような遊具だったり、見ていて面白いオブジェがあるわけではない、どこにでもありそうな小さな公園だ。
なんとなく気になって無機質な車止めや、誰もいないベンチを撮ってみたけれど、なにかつまらない。
やはり人が写っていないと…。
スナップでもポートレートでも呼び方はなんでもいいのだけれど、やはり人を撮るのが好きなのだろう。
公園だって、誰もいない公園よりも、いつものように誰かしら人がいる公園の方が「公園」と呼ぶにはふさわしい気がする。
自分が考える「いい写真」というものも、きっと同じなのだろう。
もちろん人それぞれの趣味だから誰かに強制したり、誰かから強制されたりするものではないのだけれど、自分はやっぱり人がいてこそ、「いい写真」が撮れるような気がした…。