Leica M10-P “Reporter”
海を見渡せる場所にある展望台から大きな弧を描き、海の方へと下って行く橋が見えた。
峠を越えて下の街へと続く道だ。
どうやら名前からすると、海を見るためというよりは、観光名所となっているその橋を見るための展望台のようだ。
もちろん、その橋だけではなく、その先に見える青い海と空とのコンビネーションで、ここが観光スポットになっているのは間違いないだろう。
海が見渡せる展望台なら、どこにだってある。
大きくカーブずる橋や道路だって同じだ。
こうして、大きくカーブした橋が作られ、その橋の向こうに広がる大海原と青い空があったからこそできた風景に、人々は魅了されたのだろう。
ただ真っ直ぐに海を目指すわけではなく、大きくぐるりとまわる橋が、この道を下ってゆく者たちを、海ではなく、どこか違う場所に連れていってくれるような気がした…。