Leica M10-P “Reporter”
よく晴れた日だった。
山の向こう側に沈んで行こうとする太陽が強烈な光を放ち、海面で反射していた。
穏やかなはずの瀬戸内海の小さな港町を見下ろすと、海が激しく波打っていた。
晴れているからといって油断していたら、その高台には強烈な寒風が吹きつけていた。
日に日に気温が上がり、少しづつだけれど過ごしやすい日が続いているように思えたが、やはり季節はまだ春とは呼べない時期なのだ。
潮の混じった寒風を頬に受けながら、春がやってくるのはまだ先なのだと思い知らされた。