Leica M10-P “Reporter”
「風雲急を告げる」
まさにそんな言葉を想像させる光景だった。
目的地の最寄り駅、地下鉄のホームから地上へと向かうエスカレーターで、ちょっと面白そうな壁を見つけてカメラを構えようとした瞬間だった。
すぐ目の前に立つ女性の髪の毛が、突然の風に煽られて大きくひらりと舞った。
瞬間、反射的にシャッターを切っていた。
どうってことない写真だけれど、これから自分の人生で初めて経験すること、自分の周りでこれから起こる様々なことの先行きを予感させるような瞬間だった。
きっと、この女性の髪の毛のように、グチャグチャで大荒れの展開が待っていることだろう。
なかよし二人組
そんなふうに考えておいた方が、きっとダメージも少ないのではないだろうか。
いったい、どうなることやら…。
心配したところで、もう、どうにもならない。
標識
どんな結末が待っていようとも、自分らしく冷静に、つとめて冷静に生きるだけだよ。