つわものどもが夢の跡

つわものどもが夢の跡

Sony α7R4

 

ひとつのイベントが終わった。

その業界で一年間に行われるいくつかのイベントのうちでも、大きく、重要なもののひとつだ。

それらのイベントを盛り上げるお手伝いをするためにと、事業を立ち上げた。

開始当初からそのコンテンツ制作を担ってきた自分にとっては、それなりに思い入れのある事業と言っていいだろう。

開始から順調に成長した事業だったが、組織というのは不思議なもので、誰かが新しいことを始めると、その目新しさにつられるように「俺も関わらせろ」とか、酷いものになると「ウチでやってやる」と横取りを企むものまで現れる。

そうしたおかしな横槍や、くだらない足の引っ張り合いに巻き込まれ、ある時、その事業が自分の手から離れていった。

事業を成長させるためのビジョンや多くのアイデアがあったにも関わらず、それらを置き去りにしてだ…。

するとどうだろう、横取りしたはずの輩たちが、出来上がってくるコンテンツを見て何も言わなくなる。

もしかしたら、見ることすら一切していなかったのかもしれないのだが…。

その結果は誰が見ても酷すぎて、その責任を誰も取ろうとしないのだ。

自分としては、最初から分かっていた予想通りの結果だった。

「そもそも無理なんだよ」

俺の手から仕事を奪い、代わりにそれを与えてもらったものたちの能力が極端に低すぎた。

ただそれだけのこと…。

結果、順調に成長していたはずの事業は停滞。

いや、それどころかコンテンツのクオリティーに限っていえば後退していった。

昨年やっと、あまりの酷さに気づいた担当役員が、それらに関わった輩を更迭した。

粛清だ!

その事業の立て直し=テコ入れのために自分がプロデューサーとして任命された。

でも、正直言って、気乗りしなかった。

テコ入れとはいうものの、自分には更迭された輩たちの尻拭いにしか見えなかったからだ。

さらに、その組織には大きな懸念すべき問題点があった。

それは、いくらトップを更迭=粛清しようとも、その下には残党が潜んでいるということだった。

実はこの残党どもが一番厄介なのだ。

こいつらは、自分たちの実力で仕事を奪い取ったとでも思っていたのか、自分たちが“デキる”ような勘違いをしている。

こうなると人の助言などまともに聞く耳は持たない。

そうして、それらの組織は結局、また間違った方向へと進んでいく。

こんなおかしなことが、この組織だけでなく、もっと大きな枠組みの中の至る所で行われていたようだ。

「盛者必衰」

残念ながら、どんなに隆盛を極めた組織であろうと、こんなにおかしなことばかりを繰り返していれば、その先に待つものは、没落しかない。

もう手遅れかもしれないけれど、立ち上げの時から関わっていた事業だけでも、まともな道筋を示しておきたいと思う。

そして、あとは祈るしかない。

引き継いでくれるものたちが、“マトモ”であることを(笑)

 

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